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JAMA
Risk-Based vs Annual Breast Cancer Screening:The WISDOM Randomized Clinical Trial
リスクベースの乳がん検診と年1回の乳がん検診:WISDOMランダム化臨床試験
個人の乳がんリスクに基づく検診は、検診開始時期や頻度、画像診断の利用を調整し、リソースを高リスク女性に重点的に配分することで乳がん検診を改善する可能性がある。本研究では、年1回のマンモグラフィに代わる実現可能な選択肢としてのリスクベースの検診を評価した。2016年から2023年にかけて米国の40~74歳の女性を対象に行われ、2025年9月まで追跡された。リスク評価には遺伝子配列、多遺伝子リスクスコア、Breast Cancer Surveillance Consortiumモデルが用いられた。リスクに応じた異なる検診プランが設定され、主なアウトカムはステージIIB以上のがんの発生率や、検診と生検の実施率などであった。
リスクベースの検診は、がんの発生率において年1回の検診と同等の非劣性を示したが、生検率の低下は見られなかった。観察コホートの89%がリスクベースのアプローチを選択し、検診の層別化が有効であることが示唆された。
JAMA. 2025 Dec 12:e2524784. DOI: 10.1001/jama.2025.24784
Editorial
乳がんリスクベーススクリーニングの可能性を解き放つ
検出から予防へ
乳がんは、米国女性において最も頻繁に診断される悪性腫瘍であり、依然としてがんによる死亡の主な原因となっている。2025年には、推定316,950人の女性が浸潤性乳がんと診断され、42,170人が死亡すると予想されており、生涯リスクは約8人に1人となっている。乳がんの罹患率と死亡率のこうした傾向は、予防、スクリーニング、そして治療の継続的な進歩の必要性を浮き彫りにしている。
乳がん検診は、一部のがんをより早期に、より治療しやすい段階で発見するが、がん発症のリスクを低減するものではない。検診には、偽陽性や過剰診断(本来問題にならないはずのがんを発見すること)といった弊害があることが認識されており、これらは不必要な不安、処置、治療、そして費用の増加につながる可能性がある。検診の回数を増やすことが必ずしも良いとは限らない。
JAMA. 2025 Dec 12. DOI: 10.1001/jama.2025.24817




