この多施設共同ランダム化臨床試験では、心不全と鉄欠乏症の患者におけるカルボキシマルトース鉄の効果と安全性を評価した。試験は2017年から2023年にかけて欧州6カ国で行われ、1105人の患者が参加した。試験では、カルボキシマルトース鉄を投与された群とプラセボ群を比較し、心血管死や心不全による初回入院までの期間を主要評価項目とした。
　結果、カルボキシマルトース鉄群はプラセボ群よりも心血管死や心不全による初回入院のリスクがやや低かったものの、統計学的な有意差は一部の評価項目でのみ確認された。心不全による全入院数も、プラセボに比べて有意に減少はしなかった。重篤な有害事象の発生率も両群で同程度であった。全体としてカルボキシマルトース鉄は、心血管死や心不全による入院を有意に減少させなかった。

JAMA. 2025 Mar 30.　DOI: 10.1001/jama.2025.3833
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