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The Lancet
COLONPREV試験は、スペインの15医療機関で実施されたランダム化対照試験で、大腸がんスクリーニングにおける便潜血免疫化学検査(FIT)と大腸内視鏡検査の効果を比較した。
50~69歳の健康な成人を対象に、一次性大腸内視鏡検査か2年ごとのFITにランダムに割り当て、10年後の大腸がん死亡率を評価した。57,404人が参加し、大腸内視鏡検査群(26,332人)とFIT群(26,719人)でスクリーニング意図集団を構成。参加率はFIT群で39.9%、大腸内視鏡検査群で31.8%とFITが上回った。10年後の死亡リスクは大腸内視鏡検査群0.22%(55人)、FIT群0.24%(60人)で、リスク差は-0.02(95% CI -0.10-0.06)。FITは大腸内視鏡検査に対し非劣性(p=0.0005)であり、参加率の高さからFIT基盤のプログラムが有効と結論づけられた。
Lancet. 2025 Mar 27:S0140-6736(25)00145-X. DOI: 10.1016/S0140-6736(25)00145-X
Editorial
大腸がん検診:目的にフィットしているか?
3月は大腸がん啓発月間であり、世界で3番目に多いがんの認知度向上を目指している。50歳未満での発症が増加する一方、50歳以上での発症率はスクリーニングで減少している。COLONPREV試験は、2年ごとのFIT(便潜血免疫化学検査)スクリーニングが大腸内視鏡検査と同等に死亡率を抑えると示した。FITの参加率は39.9%で内視鏡検査より高く、広範な採用が推奨される。非参加や社会経済的格差が課題で、TEMPO試験では招待状に期限を設けることでFIT受診率が向上した。FITの陰性予測値は99%以上で、侵襲性の低い検査として有効だが、陽性者は内視鏡検査が必要である。スクリーニングの利点と害の周知や、臨床医の個別指導が重要である。若年層では早期診断やリスク因子(食事、運動不足、喫煙、アルコール)の管理が必要で、社会的・政治的対策も求められる。
Lancet. 2025 Mar 29;405(10484):1027. DOI: 10.1016/S0140-6736(25)00619-1
〔この記事はAIを使用して作成しています〕